今般の新型コロナウイルス感染拡大への 日宗連理事長所感
令和2年4月25日
新型コロナウイルス(COVID-19)の急速な感染拡大に伴い、日本全国に「緊急事態宣言」が発令されました。感染された方々にお見舞いを申し上げますと共に、ご遺族やご関係の皆さまに謹みまして哀悼の意を表します。また現在、日本および世界の中で自らの生命を顧みず、医療の最前線で発症者の治療に従事されている方、社会生活の維持のためにご尽力されている方々に心よりの感謝を申し上げますと共に、感染されることの無いよう、衷心よりお祈りさせていただきます。
今我々は皆で力を合わせて、〝最新の科学的知見〟を持ってコロナウイルスの災厄の現状を正しく見て、正しく行動すると共に、信仰心を持って目に見えざる〝神仏への感謝・報恩の念〟を深め、未曽有の危機を乗り越えてゆかねばなりません。
また、ウイルスが世の中に拡がり外出も儘ならなくなると、町には寂寥感(せきりょうかん)が広がり会話がなくなってしまいます。そして笑顔も失われていくのです。
しかし我々はこの国難ともいえる非常時にこそ、愛他の精神をもって〝落ち着いて着実に微笑みをもって行動する事〟が求められます。
2012年にノーベル賞を受賞した山中伸弥先生はこう述べています。
〝人類はウイルスに試されている〟と。
我々はこの試練を忘却し無駄にすることなく、今度こそ官民連携による非常対策システムを構築する必要があります。
人類はウイルスを通して、現在迄の物質一辺倒の文明から脱出して、人間の生き方、人類の未来の文明のあり方を本質的に問い直す必要があるのではないでしょうか。
日本宗教連盟は宗教宗派を超えて手を携え、未来の子孫に〝自然豊かで安寧なる生活〟を継承出来るよう、〝共生の世界〟を目指して参りたいと存じます。
結びに、感染された方々の一日も早いご快復と日本をはじめ世界の感染拡大の早期終息を願うとともに、不安に駆られる人々にあたたかい言葉をかけられるよう、加盟団体信徒・信者と共に神仏への祈りを捧げます。
公益財団法人日本宗教連盟
理事長 岡田光央