平成24年度事業報告書(概要)
(平成24年4月1日~平成25年3月31日)
I 事業
第1 概要
事業の状況
当連盟は、宗教界の連合組織として、神道・仏教・キリスト教・新宗教等の垣根を越えて、信教の自由の尊重と擁護のもと、宗教文化を広く社会に振興・普及することで、道義に基づく豊かな社会の形成に寄与するとともに、もって世界平和の確立に貢献する活動を展開している。
当事業年度も上記事業趣旨に基づき、教派神道連合会、全日本仏教会、日本キリスト教連合会、神社本庁、新日本宗教団体連合会、地方宗教連盟及びその他の団体との緊密な提携を図り、公益目的事業である「宗教文化振興事業」を柱に調査研究活動、講座・セミナー開催活動、広報普及活動などを展開した。
[ 信教の自由の尊重と擁護並びに宗教文化の振興・普及に関する事業 ]
第2 各活動の実績
1. 調査研究
(1)信教の自由の尊重と擁護並びに宗教文化の振興に関する調査研究の実施
ア.宗教文化を振興するための宗教及び宗教法人の公益性と信教の自由に関する調査研究の実施
(ア)「福島復興再生基本方針(案)」と復興を契機とした、社会生活における宗教及び宗教文化の意義や役割等の公益性に関する調査研究
平成24年6月20日から行われた、復興庁による「福島復興再生基本方針(案)」のパブリックコメント(意見募集)に際して、信教の自由の尊重と擁護、並びに、宗教文化の振興と普及の観点から意見書を提出。
・ 復興庁「『福島復興再生基本方針(案)』に対する意見募集について」に対し、意見を提出(7月2日)
・ 復興大臣に対し「『福島復興再生基本方針』に関する意見書」を面談のうえ提出(9月27日、復興庁)
(イ) 宗教法人実務研修会における講義のための調査研究
文化庁・開催都道府県主催の同実務研修会における講義のため、宗教法人の公益性に関する研究協議を行った。
(ウ) 宗教を取り巻く諸問題の研究と、行政庁に対し意見書を提出
宗教を取り巻く諸問題に関して調査研究を行うとともに、信教の自由の尊重と擁護の観点から意見書を提出した。
・ 文部科学省大臣官房政策課の意見公募に対し、「平成25年度文部科学省に係る税制改正の要望」を提出
・ 国税庁の意見公募に対し「『国税通則法第7章の2(国税の調査)関係通達』(法令解釈通達)の制定(案)に対する意見」を提出し、さらに、国税庁長官宛に意見書を提出
・ 国税庁へ「宗教法人の税務調査に係る『事業内容に対してのお尋ね』文書についてのお尋ね」を面談のうえ提出
・ 文部科学省生涯学習政策局政策課教育改革推進室の意見公募に対し、「『第2期教育振興基本計画』に関する意見」を提出
イ. 宗教文化を振興するための宗教法人実務研修会等の推進
(ア) 文化庁文化部宗務課並びに都道府県主催「平成24年度宗教法人実務研修会」への講師派遣と、企画等委員の協力
・ 「平成24年度宗教法人実務研修会評価企画会議」へ事務局長を委員として派遣
・ 平成24年度宗教法人実務研修会各会場に講師を派遣。「宗教法人の公益性」について講義(全9会場)
1)東北・北海道地区(9月12日、宮城県・事務局長)
2)第1回関東甲信越静地区(9月5日、群馬県・幹事)
3)第2回関東甲信越静地区(10月25日、新潟県・幹事)
4)第1回近畿・中部地区(10月22日、石川県・幹事)
5)第2回近畿・中部地区(11月20日、大阪府・事務局長)
6)第1回中国・四国地区(11月6日、岡山県・幹事)
7)第2回中国・四国地区(11月12日、徳島県・事務局長)
8)第1回九州地区(10月18日、福岡県・事務局長)
9)第2回九州地区(11月1日、大分県・幹事)
(イ) 文化庁主催各種委員会への委員等派遣協力
・ 文化庁主催「宗教法人制度の運用等に関する調査研究の協力者会議」の協力者として事務局長の派遣
(ウ) 文化庁主催各種研修会への講師推薦協力
・ 文化庁主催「平成24年度都道府県宗教法人事務担当者研修会(認証事務・不活動宗教法人対策)」の講師について協賛団体と協議し推薦の協力
・ 文化庁主催「平成24年度不活動宗教法人対策会議(包括宗教法人)」の講師について協賛団体と協議し推薦の協力
ウ. 宗教文化を振興するための協賛団体(教派神道連合会、全日本仏教会、日本キリスト教連合会、神社本庁、新日本宗教団体連合会)、並びに、関係諸団体との連絡・協議・調査研究等の実施
(ア) 協賛団体との連携協力による調査研究
協賛団体との連携により、宗教・宗派の垣根を越えた信教の自由の尊重と擁護並びに、宗教文化の振興と普及のための交流を目的として、文化庁文化部宗務課と宗務行政に関する意見交換と情報収集を行った。
(イ) 関係諸団体及び、官庁との連携協力による調査研究
・ 公益財団法人全国教誨師連盟・大阪矯正管区教誨師連盟・兵庫教誨師会主催、第34回全国教誨師大会・教誨事業功労者表彰式に理事長が参列、信教の自由の尊重と擁護、並びに、宗教文化の振興と普及の強化のため、宗教教誨事業功労者12名の表彰と記念品を贈呈
・ 法務省主催、第63回「社会を明るくする運動」協力団体として広報推進の協力(強化月間7月)
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2. 講座・セミナー
(1)宗教文化並びに信教の自由に関するシンポジウム及び講演等の開催
ア. 宗教と生命倫理に関するシンポジウムの開催
(ア) 宗教と生命倫理シンポジウムを開催
・ 「第6回宗教と生命倫理シンポジウム」を開催、開催告知をホームページで実施。
日 程 平成24年10月16日
会 場 常磐松ホール(國學院大學・学術メディアセンター)
テーマ 「いま、尊厳死法制化を問う」
講 師 パネリスト
長尾和宏 日本尊厳死協会副会長
加藤眞三 慶應義塾大学看護医療学部教授
小松美彦 東京海洋大学大学院教授
戸松義晴 浄土宗総合研究所主任研究員
コーディネーター
島薗 進 東京大学大学院人文社会系研究科教授
対象者 一般、並びに宗教関係者
参加者 240名
イ. 宗教及び宗教法人の公益性に関するセミナーの開催
(ア) 宗教法人の公益性に関するセミナー開催
・ 「第1回宗教法人の公益性に関するセミナー」を開催し、宗教法人等事務担当者(専門職)に向けた専門的な知識等を普及啓発することで、信教の自由の尊重と擁護、並びに、宗教文化の振興と普及に努め、宗教法人等が現代社会で自律的運営や税務調査への対応ができるよう推進した。また、ホームページで実施要項を公開し、一般の参加についても対応した。
日 程 平成25年1月25日
会 場 三縁ホール(大本山増上寺)
テーマ 「国税通則法改正問題を考える―宗教法人の運営と税務調査への対応」
講 師 石村耕治 白鷗大学法学部教授
阿部徳幸 関東学院大学法学部教授
対象者 宗教法人等事務担当者(専門職向け)及び、一般
参加者 160名
ウ. 第1回宗教文化セミナーの講演概要、並びに、第6回宗教と生命倫理シンポジウムの講演概要の公開
(ア) セミナー等概要の公開
・ 「第1回宗教文化セミナー」(平成24年3月開催)及び「第6回宗教と生命倫理シンポジウム」(10月開催)の講演概要をまとめ『日宗連通信』及びホームページで公開した。
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3. 広報活動
(1)ホームページによる宗教文化並びに信教の自由に関する情報の発信及び広報の推進
ア. ホームページによる情報発信
信教の自由の尊重と擁護、並びに、宗教文化の振興と普及のため、各種活動に関する情報を発信。ホームページ全体の改変を行い、機関紙『日宗連通信』の一般公開をとおして事業活動等の情報を発信することに努めた。
・ セミナーの一般向け開催告知や、東日本大震災の被災地復興に関連して復興庁からの「回答補足」を掲載するなど、各種活動についてホームページで広く一般に対し情報を提供
・ 機関紙『日宗連通信』や、事業活動に関する情報をホームページで公開し、一般に情報を提供
(2) 機関紙『日宗連通信』による宗教文化並びに信教の自由に関する情報の発信
ア. 機関誌の編纂、刊行
・ 第3回日宗連通信企画会議を開催し、平成24年度編集方針を協議のうえ機関誌『日宗連通信』の発行。ホームページでの公開と、関係諸団体に機関誌『日宗連通信』を配布することで、信教の自由の尊重と擁護並びに宗教文化の振興と普及を広く一般社会に促し、情報を提供
・ 信教の自由の尊重と擁護、並びに、宗教文化の振興と普及のため、平成25年度宗教法人実務研修会全9会場の資料として、『別刷・日宗連通信』を作成し、研修会参加の宗教法人関係者をとおして広く一般に向けて情報発信
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4. その他、目的を達成するために必要な活動
(1) 関係諸団体及び、官庁等への協力
ア. 各種依頼への協力
・ 厚生労働省主催・千鳥ヶ淵戦没者墓苑拝礼式に事務局長が参列
・ 政府主催・全国戦没者追悼式に理事長が参列し献花
・ 公益財団法人庭野平和財団主催・第29回庭野平和賞贈呈式に理事長が参列し祝辞
・ 公益財団法人新日本宗教団体連合会主催・第47回戦争犠牲者慰霊並びに平和祈願式典(8.14式典)に事務局長が参列し献花
・ 茨城県宗教連盟設立65周年記念大会に理事長代理で事務局長が参列し祝辞
・ 千鳥ヶ淵戦没者墓苑奉仕会主催・秋季慰霊祭に理事長が参列し献花
・ 世界連邦日本宗教委員会主催・第34回世界連邦平和促進全国宗教者・信仰者鎌倉大会に協賛し、理事長が参列し祝辞