鳥取県による宗教法人の財務情報開示について(8)

鳥取県による宗教法人の財務情報開示について(8)―鳥取県からの回答(平成16年7月21日付)(鳥取県総務課及び県民室より)

 鳥取県における「宗教法人提出書類」の情報開示に関する質問について、次のとおり回答いたします。

1 鳥取県情報公開条例には、宗教法人に限定した特別な規定は設けられていないため、他の法人の場合と同様に、法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するかどうかを個々に審査し開示決定の判断をすること、また、その際には、信教の自由の原則を踏まえた宗教法人の特性を考えながら判断するということを述べたのが、前回の回答の趣旨です。
 条例の適用に当たっては特別扱いはできませんが、開示・非開示の判断に当たっては信教の自由の原則を踏まえた宗教法人の特性は当然配慮しております。

2 例示された役員名簿については、個人がどの宗教を信仰しているかは他人に知られたくない個人に関する情報であることから、代表役員以外の情報は非開示としております。
 誹謗中傷の問題については、情報を開示することによって誹謗中傷に遭う具体的なおそれがあるとは言えず、条例解釈上、悪意による請求があり得るからという理由では非開示にできないと考えます。
 なお、宗教法人に関する情報を開示するかどうかの決定をしようとする際には、当該法人の利益を害するかどうかの判断を県において行うこととなりますが、県は宗教的事項であるかどうかについて外形的に判断するだけです。従って、教義や宗教的内容に踏み込んだり干渉したりすることはないので、信教の自由を侵害することにはならないと考えます。

3 質問の御趣旨が判然としない面もありますが、所轄庁において提出書類をどのように取り扱うかについては、宗教法人法第25条第5項の規定により、「宗教上の特性及び慣習を尊重し、信教の自由を妨げることがないよう」と抽象的に定められているのみであり、そのことにより同条第3項の規定との整合性を論じるのであれば、備付け書類の閲覧の問題や提出書類の取扱いの問題全体として、明確な立法上の措置が必要ではないかとの見解を述べたのが、前回の回答の趣旨です。

 なお、この情報開示の問題については、県内の宗教法人の方々との意見交換会を行っており、そのような場での議論も踏まえながら、よりよい対応を検討しているところです。

鳥取県総務部総務課長 橋本 修
鳥取県総務部県民室長 川口正男

(平成16年7月21日)

以 上

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