I 教育をめぐる現状と課題「3.教育の目指すべき姿」(2~3頁)について

平成29(2017)年3月5日

文部科学省

生涯学習政策局政策課教育改革推進室 御中

公益財団法人日本宗教連盟

理事長 植松 誠

【第3期教育振興基本計画策定に向けた基本的な考え方への意見】

 

I 教育をめぐる現状と課題

「3.教育の目指すべき姿」(2~3頁)について

 

【意見】

2頁の「3.教育の目指すべき姿」の記載のとおり、「自立した人間として、主体的に判断し、多様な人々と協働しながら新たな価値を創造する人材を育成し」、「一人一人が活躍し、豊かで安心して暮らせる社会の実現と、社会(地域・国・世界)の持続的な成長・発展を目指していくこと」を目指すのであれば、民族や宗教、歴史的・文化的背景を持った人々の多様な価値観に対して、寛容的な態度をとり、互いに思いやりながら協働できる力を身に付けることが必要です。

平成28年12月21日の中央教育審議会「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の 学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」では、その8頁目に、「近年では、外国籍の子供や、両親のいずれかが外国籍であるなどの、外国につながる子供たちも増加傾向にあり、その母語や日本語の能力も多様化している状況にある。こうした子供たちが、一人一人の日本語の能力に応じた支援を受け、学習や生活の基盤を作っていけるようにすることも大きな課題である。」とあります。

日本語習得支援の体制づくりも喫緊の課題でありますが、同時に、クラスや学年、学校の中といった小さな社会においても、多様な価値観や習慣を理解しながら共に学べるよう配慮することが必要です。そのためには、子どもたちが相互に寛容な態度を取れるように、様々な言語や文化、民族、宗教、生活習慣の違いなどについて、知識や教養として学ぶことが重要であると考えます。

以上の理由から、第2期教育振興基本計画39頁に明記されている「宗教に関する一般的な教養に関する教育を推進する」ことが、引き続き重点的に行われることを要望いたします。

以上