平成22年度 年頭所感
「新年を迎えて」
財団法人 日本宗教連盟 平成22年度理事長 山北宣久
新年を迎えて、皆々様のうえに恵みが豊かに注がれますようお祈り申し上げます。
「過去にはすべて感謝を。未来には希望を。現在には寛大な心と勇気を。」これぞ新しい年を迎えた私たちの願いであり、決意でありましょう。
過去は感謝をもって受け止め、いやな体験もそれを引きずらない。未来には希望を抱きて敢然と進む。そして与えられている現在には他人を裁かない寛大な心、自分を責めないゆったりとした心で接する、そうしたお互いでありつづけましょう。
日本宗教連盟は昨年、公益法人制度改革にともなう変化に取り組んできた結果として、「新公益法人制度への移行」を決定致しました。実に画期的なことです。 その決断の根にあるものは、各々の宗旨、宗教的特徴を生かしつつも、宗教間の一致を生かして、世の救い、人々の救済へ広く深く仕えていく、まさに公益性を明らかにしていきたいとの願いであったかと思います。
世界の混乱が宗教対立にある事を、痛みをもって受け止める時、日本では宗教者同士が互いを尊敬し、啓発させられつつ、宗教間の一致をもって世界平和へと貢献していく、この現実をさらに強め生かして生きたいという熱き想いが新公益法人制度への移行にアクセルを踏ましめたと受止めています。
人々の救いのため、そして世界の平和のために祈ること、それ自体が公益であることを自覚してますます連帯しつつ、前進して行きたいと願うや切です。
宗教団体の行う社会的貢献活動は三五%の認知度にとどまってますし、「立派な活動だからもっと活発にやって欲しい」は一九%にすぎません。(庭野平和財団2009より)
また制度・組織の信頼度は、病院や新聞が八八%であるのに対し、宗教団体はわずか一五%、国会議員の三五%に次ぐ低さとなっています。これが最近の調査結果として報告されている数字です。(JGSS2006より)
宗教団体への不信がかくも大きい原因は何なのでしょうか。謙虚に反省と悔改めを自らに課しつつ、共々、日本宗教連盟を通して創造的な業を積極的に展開していくことにより、信用・信頼を取り戻していくこととしましょう。
本来的使命へと立ち返ること、原点回帰を共々はかっていくこと、それが新年を迎えての私たちの有り様たることを確認させられます。
(平成22年度『日宗連通信』より)