石川県知事宛「要望書」
令和6年6月20日
石川県知事 馳 浩 殿
公益財団法人 日本宗教連盟
理事長 田 中 恆 清
要 望 書
この度、財務省から令和6年能登半島地震で被災した宗教法人を含む公共・公益法人等に係る指定寄附金の指定の告示がなされました。当該地震による被災社寺等、宗教施設の被害は甚大であることから、指定寄附金の指定は、今後本制度を活用しての復興を目指す宗教法人にとって大きな希望になるものと存じます。
然しその一方で、指定寄附金の申請書式は大変煩雑であり、多大な損害を被り、通常の活動を行うこともままならない非常事態下にあって、被災により避難生活を送っている宗教法人の代表役員ら(宮司、住職など)もいる中で、申請書類の作成や所轄庁との調整など当該申請手続きは、困難を極めるのではないかと危惧しております。当連盟でも、過去の震災において、その申請の煩雑さ故に適用を断念したという事例が多々あった旨、聞き及んでおります。此の点、申請に際し、若し日本行政書士会連合会や各県の行政書士会等の協力・支援を得られるのであれば、本制度の速やかな申請が行え、被災社寺等、宗教施設の復興の加速化に向けた取り組みにつながっていくものと考えます。
平成28年に発生した熊本地震の復旧復興にあたっては、熊本県において、復興基金の一メニューとして、神社・石祠等の早期復旧を図るために、再建に要する経費を支援する地域コミュニティ施設等再建補助金を創設されたと聞き及んでおります。県内各地の神社、仏閣、教会、祠宇、仏堂、教会所は地域の伝統文化の継承やコミュニティ形成の中核を担っております。また、震災時においては、避難所や防災活動の拠点として活用される等、信者や崇敬者のみならず地域の方々の心の安寧に寄与する施設としても重要な役割を果たしており、これら宗教施設の早急な復興は被災地域の再生にとっても大きな影響を与えるものであると思慮致します。
つきましては、貴県の復興基金が地域コミュニティ施設等の再建補助金及び行政手続きに係る支援の費用として活用できるよう、何卒格段の御配慮をお願い致したく、ここに下記の通り要望いたします。
記
一、熊本地震の事例と同様に地域コミュニティ施設等再建補助金を復興基金の活用事業に含めること
一、指定寄附金制度に係る行政手続申請の手続きに係る支援の費用を復興基金の活用事業に含めること
以 上
【御参考】
私たち日本宗教連盟は昭和21年の結成以来78年間、信教の自由の基本理念のもとに宗教文化の振興をはかり、もって世界平和の確立に貢献することを目的として事業を推進しています。教派神道連合会、全日本仏教会、日本キリスト教連合会、神社本庁、新日本宗教団体連合会の5つの構成団体および関係団体、そして宗務行政を担う文化庁と連携して事業活動を行っています。