要望
自由民主党 社会・宗教関係団体
委員長 山田 賢司 様
令和2年4月17日
公益財団法人日本宗教連盟
要 望
今般の新型コロナウイルス感染症の拡大は国難であり、国民一人一人にとっても生活そのものに大きな打撃を与えるものであります。日本宗教連盟の加盟団体に所属する宗教法人は、檀家や氏子崇敬者、信者、信徒である人々に対し、祈りと寄り添いによって精神的な支えとなるよう努め、また、信者・信徒と共に、心をひとつにして一日も早い感染の終息を祈念しております。
宗教界では、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、寺社仏閣、教会等はそれぞれで対策を行っております。寺社仏閣、教会が感染源とならないように、やむを得ず自主的に閉門し、檀信徒、氏子崇敬者は門外から参拝するような対応をとっている寺社仏閣もあれば、参拝は自由に行えるが授与品の頒布や御祈願は中止している寺社仏閣もあります。キリスト教の教会・伝道所では、極力、教会に集わない方法で礼拝をささげることを講じるよう呼びかけ、また、牧師と伝道師は、自宅礼拝をささげる人が霊的に孤立することがないように、オンラインによって礼拝を中継したり、電話などを使って、配慮を行っております。
このように、感染症拡大予防の対策を行う宗教法人は、法事や法要、礼拝、祭祀などの宗教活動を中止したり、最小限に縮小したりと本来の宗教活動を自粛しております。
感染拡大防止には、日本国民と全世界の人々による痛みの伴う協力が必要であります。4月16日には、全国に「緊急事態宣言」が発令されました。全国各地での休業要請や、人との接触を8割減らして不要不急の外出を避ける要請に協力することは、これ以上の感染拡大を食い止めるために重要なことですが、経済活動が停滞し、多くの人々が経済的困窮に陥ることになります。
社会の混乱と経済状況の悪化により、檀家や氏子崇敬者、信者、信徒である一人一人は、生きていくために、必要最低限の生活費を捻出しております。国民の生活を第一とした「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」など、政府による迅速な対応によって、人々が健康で文化的な生活を送れるように、引き続き様々な支援策の策定をお願いします。
私たち宗教法人は一人一人の浄財・献金によって支えられております。
国民の生活が安定しない状況が続きますと、個人が宗教活動に費用を回すことができない状況が今後しばらく続くと思われます。宗教法人の多くは小規模で、家族のみで運営しています。浄財・献金の減少が運営そのものに支障をきたす状況です。このままでは、宗教法人が経済的困窮に陥り、宗教活動もままならず寺社仏閣、教会等が地域から消滅してしまう事態も起こりうることです。今般の新型コロナウイルス感染症対策として打ち出された中小企業向け経済支援「持続化給付金」についても、宗教法人が公益法人等として支給対象となるよう、要望いたします。
また、行政機関においては、宗教法人が支給対象から除外することがないように、政教分離の解釈のあり方についてもご周知くださいますよう要望いたします。