「公益法人制度改革(新制度の概要)」に関する意見書

平成18年2月24日
財団法人 日本宗教連盟
理事長  里見達人

「公益法人制度改革(新制度の概要)」に関する意見書

 財団法人日本宗教連盟は、教派神道連合会・財団法人全日本仏教会・日本キリスト教連合会・神社本庁・財団法人新日本宗教団体連合会の5つの団体によって構成され、信教の自由と政教分離の精神のもと、宗教文化の興隆と文化国家の建設を目指し、もって世界平和に貢献すべく60年に亘って諸活動を進めております。
 さて、平成17年12月『公益法人制度改革(新制度の概要)』が公表されましたが、同概要には現行民法第34条に公益の例示としてあげている「祭祀」「宗教」が公益的事業の例示として入っておりません。
 このことは、宗教が人心の安定を図り、教育、文化、社会福祉、その他の公益の増進に寄与してきたことを甚だ軽視し、宗教の果たしている精神文化の高揚を無視し、あるいは宗教そのものの存在価値を否定するものであって、文化国家の名に懸けて実に痛嘆すべきことであります。
 ついては、「祭祀」「宗教」が公益であることを法律上明確にしている現行民法第34条の規定を、新制度においても新たに制定される法律との整合性をとりつつ存置するなど、「祭祀」「宗教」を法律上適切に位置づけるべきであります。
 秀抜なるご見識をもって慎重な法的整備をなされることを、宗教界挙げて強く要請するものであります。