令和5年度 年頭所感

公益財団法人日本宗教連盟

理事長  田中恆清

 

謹んで挨拶を申し上げます。

令和六年元日の能登半島地震において犠牲となられた方々に対し、改めて深く哀悼の意を表しますとともに、罹災された方々に対しまして衷心よりお見舞い申し上げる次第です。

神社仏閣等をはじめとする宗教法人施設の被害は甚大でありますが、一部の寺院等では発災直後に一時避難を受け入れてきました。この度の災害では、初期の段階で一般ボランティアの活動が制限された中にあって、宗教関係諸団体は発災直後より各宗各派を超えて連携し、又、災害NGOと協力するなど支援活動を続けてきております。

今後の災害復興において、住民の心の拠り所となる地域コミュニティーと、信仰に根付く宗教施設や伝統文化施設の復旧は重要であります。十分なる施策が実施されるように、日宗連は各界への働き掛けを続けてまいります。

 

また昨今、不活動状態にある宗教法人の法人格を不正に取得するなどして、脱税やマネーロンダリングなどの犯罪に利用されることが懸念されています。

宗教法人が不活動化する要因には日本全体の人口減少、少子高齢化と過疎化の進行など様々な要因があり、宗教法人側のみで解決することが難しい状況もあります。

現在、包括宗教法人を中心にその解消に向けて取り組んでおられるものと拝察いたしますが、本連盟としても文化庁宗務課と連携を密にとり、不活動宗教法人の減少に取り組んで参りたく存じます。

 

日宗連では、信教の自由の尊重と擁護、宗教文化の振興、交流を目的とする諸活動を行ってまいります。皆様には、より一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、挨拶といたします。

(神社本庁)