平和な世界の実現を祈念して―核兵器禁止条約の発効を受けて
令和3(2021)年は、国際平和につながる歴史的な年となりました。世界平和実現のために、平成29(2017)年に核兵器の開発、保有、使用を禁じる核兵器禁止条約が国連で採択され、令和2(2020)年10月24日、条約に批准する国と地域が50に達し、本日、条約が発効されることとなりました。
原爆投下から75年もの長い年月をへた今も、被爆者の辛く苦しい体験と平和実現への強い願いは、人々に引き継がれてきました。核兵器使用による悲惨な状況とは、被爆者のみならず、原爆投下直後に爆心地に入った人々でさえも強い放射線の影響で被爆するという事実であり、被爆二世にも健康被害、差別などの影響が及ぶことでもあります。
私たち宗教者は、これまでも恒久平和を希求し、真に平和と言える社会の実現のために協働してまいりました。人類が争うことなく、一人ひとりがいのちを大切にして平和に暮らしていけるように祈り、また、人々に平和について説き平和を祈る心を伝えていくことが、宗教者の使命であります。
世界で唯一の戦争被爆国日本の宗教者である私たちは、ここに改めて核兵器のない平和な世界の実現を祈念いたします。
令和3(2021)年1月22日
公益財団法人 日本宗教連盟
理事長 戸松義晴