平成27年度 年頭所感

平成27年度 年頭所感(平成28年1月)

「創立七十周年の年を迎えて」

公益財団法人 日本宗教連盟  平成27年度理事長 齋藤明聖

 

新たな年を迎え、謹んで新春のお慶びを申し上げます。

旧年中は、本連盟の、信教の自由の擁護と尊重、宗教文化の振興、宗教文化の交流を目的とする諸活動に格別のお力添えを賜り、有難く厚くお礼申し上げます。

おかげさまで、昨年の6月5日には「多様化する〝家族〟のあり方に向きあう」をテーマとして第四回宗教文化セミナーを、9月14日には「共通番号制度の導入と宗教法人―マイナンバー社会保障・番号制度の概要と宗教法人の実務対応について―」をテーマとした第3回宗教法人の公益性に関するセミナーを開催し、大勢の皆さまのご参加のもと、それぞれの課題を共有することができました。

ところで、平成24年に公益財団法人となった日本宗教連盟でありますが、その財団法人としての歴史は古く、1946(昭和21)年6月2日に遡ることができます。したがって、今、平成28年度は創立七十周年の節目を迎えることと相成りました。

記念事業として、4月14日には記念式典、祝賀会を開催し、さらに年度内に、記念シンポジウムを開催する予定であります。関係各位の皆さま方のご出席を、今からお願い申し上げる次第であります。

現代社会には、不安、生きづらさ、孤独感が蔓延しています。ヒト・モノ・カネが世界を飛び回るグローバル社会の中では、企業はきびしい競争にさらされ、人をモノ扱いしなければ採算が取れません。理性至上の人間中心主義は、人間を傲慢にも、役に立つ者・立たない者と分断していきます。まさに、いのちの感覚、一人ひとりのかけがえのなさを喪失している状況であると言えましょう。私ども宗教者の責務は、いよいよ重く、大きくなっていることを痛感するものであります。

本連盟は、宗教文化振興の観点から、宗教界をめぐる社会問題に焦点をあててセミナー等を開催しておりますが、公益法人として今後どのような課題に取り組んでいくのか、そうした将来展望を描くような七十周年の年にして参りたいと考えます。

本年も日本宗教連盟の活動に、より一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。