平成26年度 年頭所感

平成26年度 年頭所感(平成27年1月)

 

「新年挨拶」

 

  公益財団法人日本宗教連盟 平成26年度理事長 保積秀胤

 

新たな年を迎え、謹んで新春のお慶びを申し上げます。

旧年中は、本連盟の諸活動にご理解とご協力を賜り、衷心より御礼を申し上げます。

昨年は、集中豪雨や火山の噴火などの自然災害があいつぎ、各地で被災された方々、ご関係の方々にあらためてお見舞いを申し上げます。

日本宗教連盟は公益財団法人に移行し三年となりましたが、「定款」に基づき、「信教の自由の擁護と尊重」「宗教文化の振興」「宗教文化の交流」などを中心に、諸事業を順調に推進いたしております。昨年六月には、「『限界集落』化する地域社会と宗教の力」をテーマに「第三回宗教文化セミナー」を開き、十一月には、「生殖補助医療の法制化を考える―現状と課題」をテーマに「第七回宗教と生命倫理シンポジウム」を開催いたしました。

現在、日本は経済構造や人口構成の急激な変化により、多くの問題に直面しております。とりわけ、就職・雇用問題、地方の過疎化問題は年々深刻の度合いを深めようとしております。戦後、三世代同居が一般的であった日本の家族は、マイホーム主義の流れとともに核家族となり、さらに今日では、世帯構成のなかで単身者世帯が最も多くを占めるようになりました。こうした影響により、宗教界も多くの課題に直面しておりますが、本連盟は、教派神道連合会、全日本仏教会、日本キリスト教連合会、神社本庁、新日本宗教団体連合会―相互の協力と叡智をもって、一つ一つの問題と取り組んでまいりたいと存じます。

洋の東西を問わず、宗教は「いのち」を育み、守り育てることを大切にしてまいりました。また、一人ひとりが「いのち」をみなぎらせて日々生きていくことを説いてまいりました。さらに、宗教はいつの時代にありましても人と人とが和合し、社会全体を繁栄させていくことを大きな願いとしてまいりました。

変化の激しい時代ではありますが、日宗連各団体に連なる全国の宗教法人が、それぞれの教義と歴史をふまえ、旺盛な教化活動を展開することにより、先の諸問題は克服されていくものと存じます。

本年も日本宗教連盟の諸活動によりいっそうのご理解とご協力を賜りますようお願いを申し上げ、新年の御挨拶とさせていただきます。

(平成26年度『日宗連通信』より)