平成23年度 年頭所感

「新たな年を迎えて」

    財団法人日本宗教連盟 平成23年度理事長 有田惠宗

 

新たな年を迎え、謹んでご挨拶申し上げます。

東日本大震災と大津波によって被災された皆様、並びに、福島第一原子力発電所の事故により、避難生活を余儀なくされている皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、すべての犠牲者に対し心よりご冥福をお祈りいたします。

平成二十三年は、日本国内に限らず、世界各地においても、地震や台風、洪水などの自然災害で多数の方が犠牲になり、多くのかけがえのないいのちが失われました。

日本宗教連盟を構成する教派神道連合会、全日本仏教会、日本キリスト教連合会、神社本庁、新日本宗教団連合会並びに、各団体に連なる宗教法人は、東日本大震災当日から被災された方々に寄り添い、救援活動や支援活動を行っています。また、宗教者一人ひとりが、心の平安と犠牲者の冥福を祈り続けています。

復興は長期にわたることが予測されていますが、宗教者や宗教関係者の被災者に寄り添う活動は、現在も仮設住宅を中心に行茶(お茶とお菓子をお持ちしてお話を伺う)や、心の相談室、Cafe de Monk(カフェで文句)などとして引き続き行われ、被災者の心のケアに携わることで、物質のみならず心の復興を進めております。また、今後は地域コミュニティー再興のために、どのような支援を行い、宗教者としてどのようなことを担ってゆくことができるのかが重要な課題となります。

震災後、悲しみのなかにある人々とのつながりのなかで、宗教が常にこころに寄り添う存在であるために何ができるのか。その答えが、これからの復興を支え、また、私たち宗教者が歩むべき道を示してくれるものと信じております。
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日本宗教連盟は、平成二十四年度に公益財団法人に移行することを目指し、平成二十三年十月二十八日に移行認定申請書を提出し、一月現在、公益認定等委員会の審議が行われているところであります。

新しい公益法人制度のもと、本連盟は協賛団体の協力を仰ぎつつ、信教の自由の尊重を柱に宗教文化振興事業として公開シンポジウムやセミナー等の実施、並びに、調査研究や広報の充実を行い、人々の豊かな社会生活の一助となるよう情報を発信してゆく所存でございます。

関係諸団体並びに、関係者各位には、引き続きご理解とご協力を賜りますようお願い致します。


(平成23年度『日宗連通信』より)